関連法規制と解説
法規制の概観
各国・地域でCBD製品の扱いは大きく異なります。例えば米国では州によって異なる規制があり、 EUでは0.2~0.3%(2,000~3,000 ppm)程度のΔ9-THCまで許容される場合があります。 一方、日本のように1 ppmレベルで厳格な基準が設けられるケースはまれであり、 極めて低濃度でも規制対象となる可能性がある点に注意が必要です。
日本における残留限度値の一例
油脂は10 ppm以下、水溶液は0.1 ppm以下、その他(グミやクリーム等)は1 ppm以下が 一つの目安として提示されています。ただし、法令上の正式な数値ではなく、 最新の行政通知やガイドラインを必ず確認することを推奨します。
THC含有量の評価指標
一般にΔ9-THCとΔ9-THCA-Aの合算[Δ9-THC + (Δ9-THCA × 0.877)]が評価対象とされます。 これはΔ9-THCAが加熱などでΔ9-THCに変換されるため、 リスク評価や基準超過の判定時には両者の合算を用いるのがスタンダードです。
本アプリケーションでの計算方式とND時の考え方
計算対象と合算方式
本アプリでは分析結果の入力データとして、Δ9-THCとΔ9-THCAの濃度を受け取り、 以下の式によって合算THC量を算出します。 合算THC = Δ9-THC + (Δ9-THCA × 0.877) その後、製品形状区分(油脂・粉末・水溶液・その他)に応じた目安値との比較を行います。
ND(Not Detected)時の取り扱い
ND(検出されなかった)の場合、本アプリではユーザーの選択に応じて 「ND = 0」「ND = LOD/2」「ND = LODもしくはLOQ」のいずれかで計算を行います。 デフォルトはND = LOD/2ですが、測定ラボや規制当局のガイドラインに応じて、 より保守的または楽観的な値を設定していただけます。
計算ステップと測定不確かさ
1. 試験データ入力(Δ9-THC, Δ9-THCA, LOD/LOQなど)
2. NDの代入法を選択(0, LOD/2, LOD など)
3. 合算THC量の算出
4. 各製品形状別の目安値との比較
5. 最終結果(ppm換算)と簡易判定の表示
なお、1 ppm・0.1 ppmレベルの極微量分析では、±20~30%の測定誤差が生じ得るため、
実際の法的判断には公式試験結果や最新の行政ガイドラインを併用する必要があります。
- 本アプリで提示される計算結果はあくまで参考値であり、法的効力をもつものではありません。
- 最新の行政通知や専門家の助言を確認することを推奨します。